被害金回収広告を見ても、すぐ契約しないでください|「取り返したい」気持ちを狙う二次被害
FacebookやInstagramなどを見ていると、最近このような広告が表示されます。
「まだ諦めないでください」
「被害金を回収できる可能性があります」
「無料で調査します」
「最短即日対応」
詐欺被害に遭い、失ったお金を何とか取り戻したいと思っている人にとって、こうした言葉は一筋の希望に見えます。
しかし、ここで急いではいけません。
被害金を取り返したいと思うのは当然です
詐欺被害に遭ったあと、多くの人が考えるのは、
「何とかしてお金を取り返したい」
ということです。
私も同じでした。
私はSNS型投資詐欺などで約350万円の被害に遭いました。
騙されたことに気づいたあと、被害金を取り戻すために弁護士へ依頼し、着手金を支払いました。
弁護士へ依頼すれば、少しでも戻ってくるかもしれない。
そう信じていました。
しかし、被害金は戻りませんでした。
支払った着手金も戻ってきませんでした。
被害金を取り返したかっただけなのに、私はもう一度お金を失ったのです。
「無料相談」と「無料で回収」は違います
被害金回収広告には、「無料」という文字が大きく表示されていることがあります。
しかし、多くの場合、無料なのは最初の相談や回収可能性の診断です。
実際に依頼すると、
- 着手金
- 調査費用
- 事務手数料
- 成功報酬
などが必要になる場合があります。
さらに、費用を支払ったとしても、被害金が必ず戻るとは限りません。
広告を見たときは、次の違いを意識してください。
「回収可能性を調べます」
と
「被害金を回収できます」
は、まったく同じ意味ではありません。
被害回復をうたう二次被害にも注意
消費者庁は、SNSを通じた投資や副業のトラブルについて、被害回復が難しいことに加え、被害回復をうたった二次被害に遭う可能性があるとして注意を呼びかけています。
また、日本弁護士連合会も、インターネット広告などで全国から依頼者を集め、国際ロマンス詐欺などの案件を大量に受任する一部の法律事務所において、不適切な事件処理が行われている事例があると案内しています。
これは、すべての弁護士や法律事務所が問題だという話ではありません。
被害金回収について、丁寧に説明し、真摯に対応している弁護士もいます。
問題なのは、被害回復の難しさを十分に伝えず、
「取り戻せるかもしれない」
という期待だけを強く抱かせる広告です。
契約する前に確認してほしい5つのこと
1.その日のうちに契約しない
「今すぐ依頼しなければ間に合わない」と言われても、その場で決めないでください。
一度電話を切り、家族や信頼できる人に相談してください。
2.どのような方法で回収するのか聞く
「調査します」だけではなく、具体的な説明を求めましょう。
- 相手をどのように特定するのか
- 送金先口座をどう調べるのか
- 口座凍結、交渉、訴訟のどれを行うのか
- 現時点で回収できる根拠があるのか
方法が曖昧なまま、費用を支払わないでください。
3.回収できなかった場合を確認する
一円も回収できなかった場合でも、着手金や調査費用は返金されないことがあります。
良い話だけでなく、
「回収できない可能性」
についても説明を受けてください。
4.支払う費用の総額を確認する
最初に提示された金額だけで判断してはいけません。
追加費用や成功報酬を含め、最終的にいくらかかるのかを書面で確認してください。
5.担当する弁護士本人と話す
広告受付担当者や事務員としか話していない状態で、高額な契約を結ばないでください。
担当する弁護士本人から、
- 回収の見通し
- 具体的な対応方法
- 必要な費用
- 回収できない場合の扱い
について直接説明を受けましょう。
まず相談してほしい窓口
被害金回収業者や法律事務所と契約する前に、金融機関、カード会社、警察、消費生活センターへ相談してください。
消費者ホットラインは、局番なしの188です。最寄りの消費生活センターなどにつながります。
緊急ではない警察への相談は、警察相談専用電話の**#9110**を利用できます。
すでに法律事務所などと契約し、不安や疑問を感じている場合も、一人で判断せず、別の相談窓口へ確認してください。
被害者は、もう一度狙われます
詐欺被害に遭った人は、冷静さを失っているのではありません。
悔しいのです。
家族に申し訳ないのです。
少しでも取り戻したいのです。
その当然の気持ちに、
「まだ諦めないでください」
という言葉が届きます。
しかし、その言葉が本当に被害者を助けるものなのか。
新しい契約へ誘導するための言葉ではないのか。
一度、立ち止まってください。
被害金を取り返したいときほど、すぐに契約しない。
一人で決めない。
迷ったら、一時間。
取り返そうとして、さらにお金を失う人を、これ以上増やしてはいけません。
私自身が被害金を取り戻そうとして、もう一度傷ついた体験と、そのときの思いはnoteにも書いています。
▼noteの記事はこちら
https://note.com/sagi110/n/n3d1569ecd6a7
※この記事は、特定の法律事務所や弁護士を違法・悪質と断定するものではありません。被害金回収をうたう広告全般について、契約前に確認すべき点をお伝えするものです。


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