
ロマンス詐欺の常套句「2人の未来のために資金を貯めよう」――北見市で480万円被害の実態と防止策
北海道北見市で発生したロマンス詐欺事件の概要
2025年4月13日、北海道北見警察署が発表したロマンス詐欺事件は、SNSを通じた巧妙な手口により30代女性が約480万円をだまし取られるという衝撃的なものでした。
この事件の加害者は“片言の日本語を話す男”。彼はSNSで接触後、「2人の未来のために資金を貯めよう」と甘い言葉を使い、女性に暗号資産への投資を促しました。女性はこれを信じ、複数回にわたって指定されたウォレットアドレスに暗号資産を送金。結果的に合計約480万円の被害となりました。
詐欺師が使う「2人の未来のために資金を貯めよう」という言葉の本当の意味
このようなフレーズは、一見ロマンチックに聞こえます。しかし、実際には詐欺師にとって都合の良い“心理操作”の言葉です。
- 共通の目的意識を持たせて信頼を得る
- お金を出す動機を“愛情”にすり替える
- 罪悪感を感じさせずに出資を誘導
まさにこの事件では、被害女性が「この人となら将来を考えたい」と思ったことで、冷静な判断力が鈍ってしまったのです。
なぜ人は“ロマンス詐欺”に引っかかってしまうのか?
被害者の多くは「まさか自分が」と口を揃えて言います。
ロマンス詐欺には以下のような“人間心理の盲点”が巧妙に利用されています:
- 孤独な心を癒やす甘い言葉
- 相手から必要とされる喜び
- 自己肯定感の回復
特にSNSのやり取りは即時性があり、情が移るのも早い。そのため、冷静な判断を下す前に感情が先行してしまい、気づいた時には大金を支払っているというケースが後を絶ちません。
事件の詳細と時系列
- 2025年2月中旬:SNS上で“片言の日本語を話す男”と知り合う
- 3月25日~4月11日:投資名目で複数回、合計480万円分の暗号資産を送金
- 4月12日:投資サイトで資産が表示されなくなり、警察へ相談
警察によれば、このようなロマンス詐欺は全国的にも増加傾向にあり、「恋愛感情の利用」と「投資詐欺の融合」が最近の大きな特徴といえます。
防止策:同じ被害に遭わないためにできること
- SNSで知り合った人からお金の話が出たら詐欺を疑うこと
- “2人の未来”“家族に内緒”などの言葉には特に注意
- 不安を感じたら即、警察や家族に相談
- 送金前に一呼吸置く、“即決”は絶対しない
- 情報商材や暗号資産など、説明が曖昧な投資話は信用しない
詐欺被害に気づいた時の対応
すでに送金してしまった場合でも、すぐに最寄りの警察署へ届け出ましょう。 また、SNSやチャットアプリのやりとり履歴、相手のアカウント情報、送金先情報などをできるだけ多く記録・保存しておくことも重要です。
最後に:あなたの“未来”を守るために
「2人の未来のために…」という言葉に心が動いたら、一度深呼吸を。
本当に信頼できる相手は、“投資”や“お金”よりもまず、“安心”をくれるはずです。
詐欺の手口はどんどん巧妙になっています。SNSでの出会いは楽しい反面、リスクもあるということを決して忘れずに、正しい情報と判断で自分を守っていきましょう。
出典:YAHOO!<STVニュース北海道>
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