
ATMで振り込め」とも言わない──巧妙すぎる新型詐欺の手口とは?カードを奪う“後出し型詐欺”の実態と私たちができる防衛策
🛑 ATMも現金も使わずに詐欺!?常識が通じない“新手の手口”が拡大中
「ATMで振り込んでと言われたら、それは詐欺」
「現金を直接渡すよう言われたら、詐欺を疑え」
これまで、詐欺対策はこうしたわかりやすい“合図”に頼ってきました。
しかし──
詐欺師たちは、そうした対策の“裏”をかく手口で進化を続けています。
いま増加しているのは、
📌 ATMも現金も使わない、“カードそのもの”を奪う詐欺です。
📌 手口の流れ:“信頼の連鎖”で騙される心理トリック
この手口は、非常に計算されつくした段取りで進行します。
①「百貨店」からの電話
「クレジットカードで5万円のバッグを購入されましたか?」
被害者:「買っていません」
→「ではカード情報が流出しているようです。警察に通報しておきますね」
② 続いて「警察」から電話
「あなたのカードが詐欺犯に悪用されています。すぐに対策が必要です」
ここで被害者の警戒心を完全に外します。
③ 最後に「銀行協会」へ誘導
実在する団体名を騙って安心感を演出し、
「カードを交換しましょう」「自宅に係員を伺わせます」と伝える。
④ 自宅訪問 → カード受け取り → 暗証番号もすでに取得済み
被害者は**「これで安全になる」と思い込んでカードを手渡す**。
結果、詐欺グループの“出し子”がATMから現金を引き出してしまうのです。
🎭 心理トリック:「ハロー効果」が最大の武器
この手口のキモは、
👮♂️「警察」
💼「百貨店の店員」
🏢「銀行協会」
といった権威ある立場を名乗ることです。
これにより、被害者は
-
「相手は信用できる」
-
「この人の言う通りにすれば安心」
と錯覚してしまいます。
この心理効果を「ハロー効果(後光効果)」と呼びます。
💸 なぜ「ATMも現金も使わない」のに被害が拡大するのか?
これまでの詐欺対策は、
「◯◯されたら危ない」という“条件付き”の注意喚起が中心でした。
しかし今回のような手口は、
🟥 その“条件”を全て回避したうえで
🟥 結果的に“最も重要な資産(カード+暗証番号)”を奪ってくる
非常に巧妙で悪質な詐欺なのです。
🔓 被害者はなぜ気づきにくいのか?
-
カードを奪われただけで被害に“気づけない”
-
銀行や警察に電話した「つもり」なので、不安が消えている
-
詐欺師が“実在の組織”をかたるため、嘘だと疑いにくい
結果、被害額が膨れ上がるまで気づかないというパターンが多発しています。
🧠 私たちが今すぐできる【5つの防衛策】
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どんな名乗りでも、相手を「疑う」ことから始める
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電話で「カード交換」「暗証番号」が出たら=100%詐欺
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本物かどうかは「自分で調べた番号」に確認電話を
-
家族や信頼できる人に「まず相談する」習慣をつける
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詐欺は“明日の自分”にも起こり得ると常に意識する
🧭 まとめ:常識が通じない時代だからこそ、「確認」と「相談」が命綱
詐欺は今、
「過去の対策を無力化する手口」で進化し続けています。
「現金を振り込め」とは言わない。
「直接渡せ」とも言わない。
でもあなたの資産は、静かに、そして確実に奪われる──。
それを防ぐために必要なのは、
“この常識は明日も使えるとは限らない”と疑うこと。
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【出典:YAHOO!弁護士JPニュース/多田文明『詐欺師の罠の見抜き方』より再構成】
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