偽りの募金詐欺

災害や人道支援を装った偽の募金詐欺に関する情報を紹介するカテゴリーです。手口や被害事例を詳しく解説し、安全に寄付するためのポイントや、詐欺被害に遭った際の対処法についても紹介しています。善意を守り、信頼できる支援先を選ぶための情報を提供します。

遺産寄付

「4億円遺産寄付」の甘い罠―SNSで695万円を詐取された40代男性の実話

SNSで出会った「資産家」の罠

北海道帯広市で、SNSを通じて「海外在住の資産家」を名乗る人物に出会い、40代男性が約695万円を騙し取られる事件が発生しました。この事件は、善意を利用した巧妙な詐欺手口として、SNS詐欺の新たな一面を浮き彫りにしています。

詐欺の詳細

慈善事業
警察の発表によると、被害者の男性は1月上旬、SNS上で「4億円の遺産を日本の慈善事業に寄付したい」という話を持ちかけられました。資産家を名乗る人物は「協力してくれたら10%の報酬を支払う」と約束し、男性を信じ込ませました。

その後、配送業者の従業員を装った別の人物が現れ、現金の輸送費用や税金の名目で複数回にわたり、振り込みを要求。被害者の男性は6日から11日にかけて計7回、合計695万円を指定口座に振り込みました。最終的に不審に思った男性が警察に相談したことで詐欺と判明しました。

詐欺の特徴と手口

この事件は、以下のような特徴を持つ詐欺の典型例です

  1. 善意を利用した誘い文句
    慈善活動」「寄付」という言葉で、相手の信頼を得る。
  2. 報酬の約束で安心感を与える
    高額な報酬を提示し、協力のリスクを小さく見せる。
  3. 複数の役割を演じる共犯者
    資産家の他に「配送業者の従業員」などの役割を演じる別の詐欺師が登場し、複雑さを増すことで相手を混乱させる。
  4. 段階的な金銭要求
    一度に大金を要求するのではなく、何度も小分けで請求することで心理的な負担を軽減。

SNS詐欺を防ぐためのポイント

このような詐欺に巻き込まれないためには、以下の点に注意してください

  • 高額な報酬話は疑う
    「数千万円の遺産」「報酬10%」など、現実離れした話は詐欺の可能性が高いです。
  • 知らない人物からの振り込み依頼は拒否
    初対面の人に個人情報を教えたり、送金したりするのは非常に危険です。
  • 複数の人物が関わるストーリーは要注意
    複雑なストーリーを伴う話は詐欺の典型的な手法です。

  • 警察や専門機関に相談
    少しでも不安を感じたら、すぐに警察や消費生活センターに相談しましょう。

被害に遭った場合の対応

万が一被害に遭った場合は、以下の機関に連絡をしてください

  • 警察(#9110)
  • 消費生活センター(188番)

詐欺の被害届を提出することで、捜査が進む可能性があります。また、弁護士や司法書士の力を借りて、振り込んだお金を取り戻せる場合もあります。

まとめ

SNSを悪用した詐欺は年々巧妙化し、多くの被害者を生んでいます。今回の事件では、善意に訴えかける手口で信頼を得るという新たな詐欺の一面が浮き彫りになりました。SNSでのやり取りでは、相手の話を鵜呑みにせず、常に冷静な判断を心がけることが重要です。

出典
*この記事の内容は、2025年1月15日北海道新聞朝刊を参考に作成しました。

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