特殊詐欺の新しい手口と特徴

近年、特殊詐欺の手口は年々巧妙化し、2024年現在ではSNSやビデオ通話などの新たなツールが悪用されています。本記事では、最新の特殊詐欺の手口とその特徴を詳しく解説し、被害に遭わないための具体的な対策方法を紹介します。

特殊詐欺の概要と現状

特殊詐欺とは、電話やインターネットを利用して被害者を騙し、金銭をだまし取る犯罪の総称です。代表的な手口として「オレオレ詐欺」や「架空請求詐欺」がありますが、2024年にかけて以下のような新たな手口が増加しています。

最近の新しい手口の特殊詐欺事例

① LINEビデオ通話を使った「警察官詐欺」

手口の流れ

1. 犯人が電話で警察官を名乗り、「あなた名義の口座が犯罪に使われた」と説明。
2. LINEのビデオ通話を利用し、偽の警察手帳を画面越しに見せて信憑性を高める。
3. 「口座の調査が必要」として、口座情報や現金の振り込みを要求。

特徴

• ビデオ通話を使うことで、被害者の信頼を得やすい。
• 偽造した警察手帳や証明書が巧妙に作られている。

事例

栃木県では、51歳女性がLINEビデオ通話を利用した詐欺に遭い、62万円をだまし取られる事件が発生しました。

2024.12.18

LINEビデオ通話を悪用！警察官を名乗る男に62万円被害－特殊詐欺の新手口

事件概要 事件概要：51歳女性がLINEのビデオ通話で62万円をだまし取られる 2024年9月6日、栃木県佐野市に住む51歳の女性が、警察官を名乗る男からの連絡を受け、62万円を振り込む被害に遭いました。犯人はSNS...

② SNSの「恋愛詐欺」：マッチングアプリを悪用

手口の流れ

1. SNSやマッチングアプリを通じて被害者に近づき、恋愛関係を装う。
2. 信頼関係を築いた後、「投資で儲かる」や「お金を貸してほしい」などの理由で金銭を要求。
3. 被害者が送金した後、連絡が途絶える。

特徴

• 感情を利用し、被害者の警戒心を下げる。
• SNSやアプリのプロフィール写真や情報を偽装。

事例

全国的に増加している「ロマンス詐欺」では、被害額が数百万円に上るケースも少なくありません。

③ AI音声を使った「家族成りすまし詐欺」

手口の流れ

1. 犯人がAI技術を使って家族の声を再現し、「事故に遭った」「緊急にお金が必要だ」と連絡。
2. 被害者は家族だと思い込み、指定された口座へ送金。

特徴

• AI技術の進化により、家族の声をリアルに再現可能。
• 従来の「オレオレ詐欺」よりも信憑性が高い。

事例

カナダではAI音声による特殊詐欺が報告され、日本でも同様の手口が広がる可能性があります。

新しい特殊詐欺に共通する特徴

最新の特殊詐欺に共通するのは、次の3つの特徴です。

1. リアルな偽装技術
   警察手帳の偽造、AI音声技術、偽の証明書の使用。
2. SNSやビデオ通話の活用
   電話だけでなく、SNSやビデオ通話を通じて被害者を騙す。
3. 心理的な揺さぶり
   緊急性や感情（恋愛、不安）を利用して冷静な判断を奪う。

被害に遭わないための対策法

1. 突然の連絡には冷静に対応
   警察や公的機関がLINEやビデオ通話で連絡することはありません。
2. 個人情報を絶対に教えない
   口座情報やパスワードは第三者に教えないこと。
3. SNSやビデオ通話の相手は必ず確認
   身分証明や本人確認が不十分な場合は疑う。
4. 家族や知人にすぐ相談
   少しでも不審に感じたら、周囲に相談しましょう。
5. 警察や相談窓口に連絡
   特殊詐欺の疑いがある場合は警察署や消費者ホットラインに相談。

まとめ：新しい手口の特殊詐欺に警戒を！