
投資詐欺の巧妙な3つの仕掛けとは?急増するSNS型詐欺の最新動向を徹底解説
投資詐欺の3つの手口
投資詐欺の被害額が急増しています。特に、長年の投資経験者ですら信じ込ませる“3つの仕掛け”が使われた事例が注目されています。YAHOOニュースから、名古屋市在住の男性が6,000万円以上を失ったケースを基に、詐欺の具体的手法と最近のSNS型投資詐欺の新たな動きについて掘り下げます。
仕掛け1:入り口としての広告とコミュニティの信頼感
最初の入り口は、男性がインターネットで目にした「無料で株の評価をする」という広告でした。この広告をクリックすると、LINEに誘導され、「アシスタントの伊藤理沙」を名乗る人物から連絡が来ました。
- 投資学習グループへの招待
詐欺師は投資仲間を装ったグループ内で、相場情報や「利益が出た」との報告を次々と投稿。信頼感を醸成しました。 - 心理的安心感
実績のある“先生”の存在や、他の参加者の成功談により、被害者は「自分も試してみよう」と考えるように。
仕掛け2:少額の利益振り込みによる信頼構築
男性がアプリ上で確認した4万2,000円の利益が、実際に銀行口座に振り込まれました。これが詐欺師による心理戦の第2の仕掛けです。
- 「本物だ」と信じ込ませる
振り込まれた利益により、男性はアプリの信頼性を確信。 - 更なる投資を促す
男性は追加で3,650万円もの資金を、詐欺師指定の複数口座に振り込む結果となりました。
この段階で、指定口座が毎回異なることに疑問を抱きつつも、詐欺だとは気づきませんでした。
仕掛け3:実在する企業名の悪用
詐欺師が男性を信じ込ませる決定的な手段として、実在する会社名を騙った点が挙げられます。
- 信頼感を与える演出
詐欺師は「金融業界で30年以上の経験を持つアナリスト」や「有名投資会社が運営するアプリ」という肩書きを用い、信頼性を装いました。 - 高額な追加要求
男性がアプリ上で2億円近くの資産を確認した際、「サービス料13%を支払う必要がある」として、さらに2,343万円を要求。その後も「配当税」などの名目で追加資金を求めました。
男性が詐欺に気づいたのは、繰り返される金銭要求に耐えかねた末のことでした。
最新のSNS型投資詐欺の動向
広がる“最初の入り口”
以前はInstagramやLINE広告からの誘導が主流でしたが、最近では以下のプラットフォームが詐欺の入り口として使われていま
- マッチングアプリ
投資とは無関係な会話で親近感を築き、徐々に投資話に誘導。 - FacebookやTikTok
趣味や共通の話題を通じて接触し、関係を深めた上で詐欺に巻き込む。
被害者層の多様化
- 年齢:20代から70代まで広がりがあり、性別に関係なく被害が発生。
- きっかけ:SNS上での「友達になりませんか」「素敵な趣味ですね」など、一見無害な誘いから詐欺が始まるケースが増加。
愛知県の被害例
2024年9月末時点で、愛知県内のSNS型投資詐欺による被害額は約62億円に達しています。これは前年の約3倍に相当し、警察も注意を呼びかけています。
詐欺に対する防御策
- SNS上の投資話は詐欺を疑う
SNSや広告を通じた「儲け話」は一切無視するのが基本です。 - 家族や友人に相談する
第三者の視点を加えることで、不審なポイントに気づきやすくなります。 - 金融機関や警察に確認する
出金や大金の振込前には、公式な窓口で確認を行うことが重要です。
まとめ
SNS型投資詐欺は、広告から始まり、心理戦や巧妙な信頼構築のテクニックを駆使して被害者を陥れます。特に、最近では詐欺の“入り口”が多様化し、被害者層も拡大しています。インターネットやSNS上での「儲け話」に乗らないこと、そして何かおかしいと感じたら、すぐに周囲に相談することが被害防止の第一歩です。
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