
約3割が誰にも相談せず…ネット詐欺の深刻な実態とは
ネット・電話詐欺被害の実態調査:3割が「誰にも相談しなかった」
2025年3月にトレンドマイクロ株式会社が行った最新調査により、ネットや電話を介した詐欺被害の実態が明らかになりました。有効回答数5070名を対象にしたこの調査では、驚くべき事実が判明。被害者の約3割が、誰にも相談や報告をしていないのです。
調査概要と注目ポイント
- 詐欺被害を経験した人の割合:64.4%
- 被害経験者の約30.3%が実際に被害に遭遇
- 被害者の31.5%が「誰にも相談しなかった」
年代別で見ると、特に50代以上の男性に被害が集中しており、70代では76.7%が詐欺的体験をしているという結果でした。
なぜ詐欺師はネットや電話を使うのか?
詐欺師の心理と構造的メリット
- 匿名性が高い:インターネットや電話は身元を隠しやすく、追跡も困難。
- 接触コストが低い:大量のターゲットに同時に接触できる。
- 相手の動揺を誘いやすい:突然の請求や当選通知により、冷静な判断力を奪う。
- 信頼構築が容易:LINEやメールで繰り返し連絡することで信頼を装える。
被害プロセスの典型的な流れ
- 入口:怪しいメッセージや広告
- SNSや広告、メールで「当選」や「未払い」の通知が届く。
- 誘導:連絡手段の移行
- LINEや専用サイトなど、外部プラットフォームに誘導される。
- 信頼構築:少額の支払いと報酬
- 小額での「成功体験」を提供し、心理的な信用を獲得。
- 高額請求:トラブル装う口実で繰り返し送金を求める
- フィッシング詐欺や架空料金請求などに発展。
- 被害者の沈黙:恥ずかしさや諦めで誰にも相談しない
- 結果的に詐欺が発覚せず、詐欺グループの逃げ得となる。
詐欺被害を防ぐ5つのアドバイス
1. 少額でも「怪しい」と感じたら相談を
少額でも、それは詐欺の入口。家族や専門機関に相談することが大切です。
2. SNS広告やメールは必ず出所を確認
公式な企業からの連絡かどうか、URLや送信者のドメインをチェック。
3. 急かす連絡には応じない
「今すぐ対応が必要」と言われたら、一度立ち止まりましょう。
4. 被害はためらわず報告を
少額でも警察・消費者センターに通報すれば、詐欺グループ摘発の手がかりになります。
5. 家族で「詐欺に相談ルール」を作ろう
「疑わしい電話はまず家族へ」のルールを事前に決めておくと効果的です。
心を守るためのメッセージ
詐欺に遭ってしまったことは「恥」ではありません。巧妙な手口は誰にでも起こり得ることであり、大切なのはその後の行動です。「話す」「相談する」ことで被害は最小限に、防げる未来があります。
詐欺は黙っていても終わりません。声を上げて、自分と周りを守っていきましょう。
出典:INTERNET Watch 2025年5月19日
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